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「バカの壁」を読んだ感想【書評・レビュー】

バカの壁 (新潮新書)

 

こんにちは!りょっぴです。

書店でぶらぶら歩いて見ているとあるタイトルが目にとまりました。

 

バカの壁

 

ば、ばかだと?

何が?

ばかに壁もクソもないじゃないか。

 

気づいたら思わず手にしていました。

この本は400万部の大ベストセラーで2003年の流行語にもなった話題作でした。

 

著者である養老孟司の独白を文章にまとめた形をとっています。

そのため、項目ごとに話題が変わり、難しい表現も少ないので読みやすい。

戦争、宗教、科学、教育、経済など多様な角度からの考察が綴られています。

 

「学習」について

陽明学における「知行合一」においては、知ることと行うことが一致すべきとした。つまり、知ったことが出力されないと意味がない。

陽明学は中国の儒教の一派で、心即理知行合一致良知を主な思想としています。「知行合一」という思想は、知っているのに行わないのは知らないことと同じであると主張します。

 

その一つの例として、赤ん坊の例えを挙げています。

ハイハイを始めて机の脚にぶつかりそうになり避ける。よって視覚入力が変わり、自分の反応=出力も変化する。これを繰り返すのが学習。

行動から失敗を学び、改善することが学習であるとしています。

 

大人になってくると忘れてしまいがちですが、まさか赤ちゃんの時にすでに学習をしていたとは…

驚きです。

 

言語を学ぶのも幼い時の方が覚えが早いですよね。もしかしたら、人は大人になるにつれ、大事なことを忘れてしまうのではないかと考えてしまいます。

 

「仕事」について

仕事というのは社会に空いた穴です。そのまま放っておくとみんなが転んで困るから、そこを埋めてみる。それが仕事であって、自分にあった穴が空いているわけではない。

この言葉は僕の心に刺さりました。

好きなことを仕事にしたいと思い悩んでいました。

でもそれってなかなか難しいですよね。

 

自分の好きなことがそのまま仕事になることは少なく、

あくまで社会で足りない部分を補うのが仕事なのです。

 

好きなことをどう仕事に活かせるか。

 

この視点が就職や将来を考える上で欠かせないと感じました。

 

「科学」について

自分は一切、相手が死ぬのを見ないで殺すことができるという方法を作って行く方向で進化している。結果に直面することを恐れ、どんどん兵器を間接化する。身体から離れていくものにする。

僕が感じたのは、一般的に開発されている電化製品が兵器に利用される可能性です。

例えば、ドローンがここ最近話題になりました。首相官邸の屋上にドローンが侵入して、メディアを騒がせました。

 

もし爆発物を積んであれば、ボタン一つで爆発できます。そのドローンを100個飛ばして一度に爆発させたら…

 

また、家庭掃除機ロボット「ルンバ」は軍事用に運用されました。地雷除去ロボットとしてです。

 

他にも、ルンバは利用者の室内情報を読み取っています。そして、その情報が漏洩されている(CEOがその説を否定)という報道がありました。

情報収集能力も兼ね備えているのです。

 

ここまで高性能な機械が開発されるのは、一般市民である僕達には便利ですが、その反面悪用されると怖いですね。

 

家庭で使われるロボットが軍事用に運用されていくのは間違いなさそうです。

 

面白い表現

樹海でのある自殺し損ねた人の話。「首を吊ったら枝が折れて身体を打った。死ぬかと思った。」

死のうとしていたのに、怪我をして「死ぬかと思った」という一言。

 

面白くないですか?

こういうユーモアを感じさせる表現が僕は好きです。

 

バカの壁」というタイトルのネーミングにもユーモアがありますね。

 

深く考えさせられる一冊

我々人間は、自分の脳に入ることしか理解できない。学問が最終的に突き当たる壁は自分の脳である。

この壁を著者は「バカの壁」と呼んでいる。

 

僕たちは知らず知らずのうちに多くのものを失ってしまった。

その情報を取り戻すきっかけになる一冊です。

 

 

バカの壁 (新潮新書)

バカの壁 (新潮新書)

 

 

ぜひ大学生に読んでもらいたいです!