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旦那に顔が似てきた?!「異類婚姻譚」を読んでみた。

こんにちは!りょっぴです。

 

先日、ブックオフの単行本コーナーをぶらぶら歩いていると、

何やら見かけたことのある文字が目に入ってきました。

異類婚姻譚

アメトークの読書芸人で取り上げられていた本だ!

そして値段がなんと200円。やすい!

 

内容はともかく紹介されていたんだし、買って損はないでしょ! 

ということで本谷有希子の「異類婚姻譚」を読んでみました。

異類婚姻譚

異類婚姻譚

 

いざ読みはじめるとおもしろくて、考えさせられる良書でした。 

 

 

異類婚姻譚」←これ読めますか?

ぼくは恥ずかしながらこの漢字読めませんでした、、、

みなさんは異類婚姻譚読めますか?

 

いるいこん、、、

ぼくはここまでは読めた(笑)

 

「いるいこんいんたん」らしいです。

 読み方はわかっても意味がわからん。

 

調べてみたところ、

異類婚姻譚というのは人間以外のものと人間が結婚する説話の総称で、

「鶴の恩返し」や「美女と野獣」もそのジャンルに入ります。

 

あらすじ 

「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」

専業主婦が夫との関係に違和感を感じていく。他人同士が「夫婦」になるという形式を軽妙なユーモアと毒を込めて描いた作品です。

結婚すると顔が似てくるというのは聞いたことがあります。

実際どうなんでしょう、、、

性格が似てくるというのはわかる気がします。

 

ユーモアあふれる表現。

顔が夫に似てくる様子を描いた描写がおもしろいので紹介します。

朝起きて鏡を見ると、顔がついに私を忘れ始めていた。

恐らくその日、私の目鼻は油断していたのだろう。鏡をひょいと覗き込む

と、エッ、ウソ、と慌てたように集合し、どうにか元の場所に収まろうと

したが、正確には思い出せず、結果、なんとなくぼやけた感じになってい

た。

私は鏡をもう一度、じっと覗き込んでみた。その顔は、目の位置がわ

ずかに離れ、全体が妙に間延びしている。

少しずつ旦那に近づいていた。(P.85.86)

「顔が私を忘れ始める」と擬人法を用いて表現しているので個人的に好きです。

顔が意思を持ち始めたニュアンスを与えます。

そのあとの「エッ、ウソ」 という顔の本音が漏れちゃうところは可愛らしい。

表現の仕方がおもしろい作家さんだと感じました。

蛇ボールのお話

この本を読んで、結婚について考えさせられました。

本書の中で、結婚観を上手く表現している「蛇ボール」の話が出てきます。

ちょっと引用してみます。

そうだ、おねえさん、蛇ボールの話、知ってます?私、それ、何で読んだのかなあ。昔、誰かに教えてもらったんだっけかなあ。二匹の蛇がね、相手のしっぽをお互い、共食いしていくんです。どんどんどんどん、同じだけ食べていって、最後、頭と頭だけのボールみたいになって、そのあと、どっちも食べられてきれいにいなくなるんです。分かります?なんか結婚って、私の中でああいうイメージなのかもしれない。今の自分も、相手も、気付いた時にはいなくなってるっていうか。うーん、でも、それもやっぱ、違うのかなあ。違う感じもするなあ。(P.51)

人って一緒にいる人によって性格や表情が変わると思うんです。

親と自分、友達と自分、恋人と自分、それぞれの関係性の中で別の表情があって、

その一つ一つが自分の表情だと思います。

 

その関わりを持つ中でも一番長く寄り添っていくのが夫婦です。

苦しいことも楽しいことも全部二人で乗り越えていかなければならない。

結婚すれば、ただの恋人の頃の自分とはまた違った、新しい自分になると思います。

 

「蛇ボール」の結婚観はたぶん一生忘れないです。

この先結婚するのか、しないのかも分かりませんが、

「夫婦って大変だなぁ」と思いました。

 

会話文が多くてとても読みやすいので、普段本を読まない方でも

気軽に手にとって読める1冊だと思います!

 

ぜひ読んでみてください!!!