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「みんなのミュシャからマンガへー線の魔術師」の感想&レビュー

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今年、2019年は世紀末芸術に関する展覧会が数多く開催されています。東京都美術館で行われたクリムト展」や、新国立美術館で行われた「ウィーン・モダン展」など、世紀末芸術に注目が集まっています。

 

そんな世紀末ブーム真っ只中のいま、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで「みんなのミュシャミュシャからマンガへー線の魔術師」展が開催され、アール・ヌーヴォーを牽引したミュシャの作品を鑑賞することができます。

 

今回は、ミュシャ展へ行ってみての感想、そしてレビューを気ままに綴っていこうと思います!

 

わたしは9月14日の土曜日に行ったのですが、会場内は列になって順番に作品を見ていくくらいに混雑している状況。もっとゆっくり見て回りたかったなぁ。

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会場の壁は薄い水色やピンクで「かわいい」を前面に打ち出しているように感じました。実際、ミュシャの絵を一言で表すと「かわいい」に尽きると思います。


ミュシャの絵って、現代を生きるわたしたちにとても馴染みやすい絵なんですね。ペタッと平面的な絵であり、曲線をシュシュっと描いていて、構図的にも美しい。スマホやパソコンで画面を見ると、ペタッとした平面的なデザインでミュシャの作品と共通点を見いだせる。この展覧会でもミュシャの精神が、マンガやCDジャケットに受け継がれていることをアピールしているように、他の芸術家の作品よりも格段に親しみやすいのです。


絵の解説の中で、Qの構図という説明がありました。丸い円のなかに身体をよじらせてこちらを向く女性の姿。女性がQの点の部分となっているそうです。そして、女性の身体のよじれはミュシャの人並みならぬ努力によって見出されたものであることが、彼の人物の動きを捉えた習作を鑑賞することで理解できます。その習作は、どこか北斎漫画の人物描写と通じるものがあります。人の「動き」をいかに絵画に落とし込み、見るものに迫力を伝えるか。この点は東西の洋を問わず、探求されていく重要事項であったのでしょうか。もしくは、北斎らの浮世絵がフランスをはじめとする西洋にジャポニズムとして伝わったときに、ミュシャもなんらかの影響を受けていたのでしょうか。いずれにせよ、その後のマンガにミュシャの精神が宿っていることからも、平面的なタブローにおける「動き」はずっと前から探求されてきたものであることは間違いなさそうです。


展覧会前半の作品は、素人目に見て、ミュシャはふつうに絵を描いても上手でした。なのに、ポスターやパンフレットの領域に手を伸ばし、曲線を優雅に描くことで評価を得ているのは彼の努力によるものでしょう。パンフレット・ポスターを芸術のレベルまで引き上げたと言っても過言ではない。


でもそれってもしかして、裏の勢力が関係している?(笑)と勘ぐってしまうような証拠を発見してしまいました。展覧会最後のグッズ販売の手前、ミュシャの年表にその証拠はありました。何年だったかは忘れてしまいましたが、左下の方。XXXX年、フリーメイソン加入の文字が!フ、フリーメイソン!!!

ダヴィンチコードでもお馴染み、秘密結社フリーメイソンに加入していたんですか、ミュシャ様。


ミュシャの死後80年経ったいまでもなお、大きな評価を得る彼が、フリーメイソンに入っていた衝撃の事実。だからこそ彼の作品は、わたしたちを惹きつけるなにかを持っているのでしょうか。いや、いずれにせよ(フリーメイソンなんて関係なく)、彼の作品は素晴らしいものである!(はずです)


都市伝説好きなファンの方は、フリーメイソンの三角形に目のマークなど、暗号を探してみるのもおもしろいかも。


さいごに、ミュシャ展の関連グッズが大盛況すぎてびっくり!うん、ミュシャの絵かわいいもん。一緒に行った相方がiPhoneケースを買うか迷っていましたが、4000円のため仕方なく断念。高すぎるんですよねぇ〜。このグッズ販売で多大なる利益を上げれるのでしょう。Bunkamuraさん、お疲れさまです!


夢はフランス・ウィーンに行って現地で世紀末を感じること。世紀末芸術について、もうすこし詳しく調べていこうと感じる展覧会でした。